台湾で親が不動産を残して亡くなったとき、家族が一番困るのは税金よりも「まずどこへ行けばいいのか分からない」ことです。相続は3つの役所を通ります。死亡の記録と家族の書類は戸政事務所、遺産税は国税局、登記は地政事務所です。この順番は変えられません。国税局の証明書がなければ、地政事務所は書類を受け付けないからです。このガイドでは、各段階の必要書類、窓口、期限をまとめます。その後の売却については相続した不動産の売却をご覧ください。遺産及贈与税法第23条・第26条と土地法第73条に基づき、2026年9月20日に更新しました。
全体像:3つの役所、3つの期限
- 戸政事務所(戶政事務所): 死亡登記と、後の2段階で必要な戸籍の記録。死亡登記は死亡から30日以内です。
- 国税局: 死亡の翌日から6か月以内に遺産税を申告。正当な理由があれば、期限前に書面で申請し、最長3か月延長できます。
- 地政事務所: 相続開始から6か月以内に相続登記。1か月遅れるごとに登記費用の1倍の罰金が加算され、上限は20倍です。
3つの期限はそれぞれ独立して進みます。税金の段階が長引いても、地政事務所の罰金は積み上がり続けます。
第1段階:戸政事務所
やることは2つ。死亡登記を済ませて故人を戸籍から除く(除戸、除戶)ことと、後の2段階で必要になる戸籍の記録をすべて請求することです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 持参する書類 | 死亡診断書または検案書、申請者の身分証と印鑑、故人の戸口名簿 |
| 窓口 | 原則として死亡地または故人の戸籍地の戸政事務所 |
| 請求する記録 | 死亡の記載がある戸籍謄本、故人の出生から死亡までの連続した戸籍の記録、相続人全員の現在の戸籍謄本 |
| 所要時間 | 書類がそろっていれば通常その場で完了。各事務所の案内を確認 |
| ポイント | 出生から死亡までの連続した記録は、養子や前婚の子の有無を確認するために使われます。期間に抜けがあると相続人の漏れにつながり、登記全体が却下されます |
外国籍の方へ: この段階は戸籍(戶籍)、つまり台湾の居住と家族の身分登録制度に基づいて進みます。海外にいる相続人の方や、家族関係が台湾以外で記録されている場合は、証明方法が異なります。始める前にお問い合わせからご相談ください。
第2段階:国税局で遺産税
遺産税は死亡の翌日から6か月以内に申告しなければなりません。その後に受け取る納税証明書または免税証明書は、地政事務所で必須の書類です。これがなければ不動産は動きません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 持参する書類 | 遺産税申告書、死亡の記録、相続人全員の戸籍謄本、継承系統表(繼承系統表、相続関係図)、財産の資料(権利書または登記謄本、銀行の残高証明、株式、保険証券)、相続放棄した相続人がいれば裁判所の受理通知の写し |
| 窓口 | 故人の戸籍地を管轄する国税局。条件を満たせば管轄外での申告も可能 |
| 期限 | 申告:死亡の翌日から6か月。期限前の書面申請で3か月延長可。納付:決定通知書の送達の翌日から2か月以内 |
| ポイント | 2026年の基礎控除はNT$13,330,000。さらに配偶者NT$5,530,000、子1人につきNT$560,000、父母1人につきNT$1,380,000、葬儀費用NT$1,380,000の控除があります。非課税の遺産でも申告は必要です |
相続による土地の移転は土地増値税(土地增值稅)が非課税で、契税もかかりません。
当社の見解: 6か月はのんびり探し物をする時間ではありません。遺産の手続きを担当すると決まったら、すぐに国税局で故人の財産と所得の一覧を請求してください。
第3段階:地政事務所で相続登記
相続人のうち誰か1人が全員のために登記を申請でき、6か月以内に行う必要があります。相続人全員が署名する遺産分割協議書(遺產分割協議書)が必要なのは、特定の持分で共有登記したい場合や、特定の不動産を特定の相続人に渡したい場合だけです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 持参する書類 | 登記申請書、死亡の記載がある戸籍謄本、相続人の現在の戸籍謄本、継承系統表、遺産税の納税証明書または免税証明書、権利書。特定の持分で分割する場合は、遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明(印鑑證明)を追加 |
| 窓口 | 不動産の所在地を管轄する地政事務所 |
| 期限 | 相続開始から6か月。1か月遅れるごとに登記費用の1倍を加算、上限20倍 |
| 費用 | 登記費用は申告地価または権利価値の0.1% |
| ポイント | 事務所が電子的に取得できる謄本は添付不要。相続放棄した相続人の裁判所の受理通知は添付が必要 |
登記が完了して初めて、不動産は相続人の名義になります。
継承系統表と遺産分割協議書の書き方
どちらも申請者が作成します。継承系統表は誰が相続する権利を持つかを、遺産分割協議書は家族がどう分けることに合意したかを示します。文言は地政士(代書、名義移転を担う国家資格者)に確認してもらいましょう。
継承系統表: 故人の氏名、生年月日と死亡日、身分証番号。配偶者、続いて民法第1138条の順位(直系卑属、父母、兄弟姉妹、祖父母)で相続人を記載し、同順位の人は全員を列挙します。放棄した人には「放棄」と裁判所の受理日を付記し、死亡した相続人の後には代襲相続人を記載します。最後に、漏れや誤りがあれば責任を負う旨の署名入りの宣誓を加えます。
遺産分割協議書: 故人の氏名と死亡日。相続人全員の氏名、身分証番号、住所。各財産は土地の地番、建物の建号、権利持分で特定し、銀行口座は金融機関名で特定します。分け方は「均等に分ける」だけでなく項目ごとに記載し、相続人全員が印鑑証明と一致する署名・押印をして日付を入れます。ひな形は司法院のウェブサイトの家事事件の項目にあります。
行き詰まったとき:よくあるケース
行き詰まりの多くは、人が見つからない、印鑑がもらえない、税金が払えない、のどれかです。それぞれに道があります。
- 相続人が行方不明、非協力的、または印鑑証明がない。 土地登記規則第120条により、一部の相続人が全員のために公同共有(公同共有、合有)として登記でき、全員を待つ必要も、全員の印鑑証明も要りません。それらが必要なのは遺産分割協議書の場合だけです。合意がどうしても無理なら、裁判所への分割請求訴訟が道です。
- 遺産税が払えない。 納付期間内に申請すれば、利息付きで最長18回の分割納付ができます。税額がNT$300,000以上で現金が足りない場合は、不足分を課税対象の財産やその他換金しやすい財産で物納する申請ができます。
- 故人の借金が心配。 民法第1148条第2項により、責任は相続した遺産の範囲に限られます。必要なら、相続を知ってから3か月以内に裁判所へ遺産目録を提出します。相続放棄は、一切関わりたくない人のためのものです。
- 登記が期限を過ぎた。 6か月を過ぎると罰金が始まり、上限は登記費用の20倍。1年を過ぎると、地政事務所は3か月の公告の後に不動産を代管の対象とすることができ、15年を過ぎると国有財産署に移され公売にかけられます。
当社の見解: 最も高くつく行き詰まりは「とりあえず放っておく」ことです。未登記の家は売ることも抵当に入れることもできず、その間も罰金は進み続けます。家族の合意ができないなら、せめて公同共有で登記してください。
よくある質問
相続人全員で一緒に申請しなければなりませんか?
いいえ。土地法第73条により相続人の誰でも全員のために申請でき、土地登記規則第120条により一部の相続人が先に公同共有の登記をすることもできます。
遺産は非課税です。それでも国税局へ行く必要がありますか?
あります。非課税の遺産でも、免税証明書を得るために申告が必要です。遺産及贈与税法第8条により、税金が片付くまで遺産の分割や移転はできず、地政事務所が確認するのがその証明書です。
継承系統表は自分で書けますか?
書けます。土地登記規則第119条により、申請者が民法に従って作成し、漏れや誤りがあれば責任を負う旨の署名入りの宣誓を付けます。
遺産税の申告に6か月では足りない場合は?
延長を申請してください。遺産及贈与税法第26条により、期限前に書面で申請すれば最長3か月延長できます。不可抗力やその他特別な事情は国税局が判断します。
まとめ
覚えておくべき期限は6か月が2つ、遺産税の申告と相続登記です。家族の合意ができなければ、罰金をためるより先に公同共有で登記してください。本記事は一般的な概要であり、法律・税務のアドバイスではありません。個別のケースは地政士、弁護士、または関係する役所にご確認ください。富盛地産には社内に地政士が3名在籍しています。お問い合わせください。
